【放射線技師】国家試験の問題が分からないのは当然【不適切問題まとめ】

こんにちは、あだらじです。

放射線技師の国家試験は1年に1回しか受験することができません。
そんなプレッシャーの中、あなたは国家試験本番で分からない問題が出てきたとき、パニックにならない自信はありますか?

国家試験本番までしっかり勉強してきたあなたが分からない問題。それはそもそも解けない問題が原因のひとつです。

今回は過去5年間以上の国家試験不適切問題を一覧にしてみました!

この記事を読むことで、あなたは、過去の国家試験の不適切問題の多さに気づき、受験のとき解けない問題が出てきても焦る必要がなくなります。

不適切問題:出題者の問題作成のミス

不適切問題ってなに?

ひとことで言うと、出題者側の問題作成ミスです!

不適切問題には複数の種類があり、それぞれ意味合いが異なります。

この2種類には、分からないと思うシチュエーションから、国家試験合格率に左右してしまう点で若干異なります。

複数の選択肢を正解とする

「複数の選択肢を正解とする」ってどういうこと?

例えば、1つ選ぶ回答なのに、複数正解がある場合です。

ここの答え、2つ正解がある気がする…

そう思ったとき、実は両方とも正解の可能性、つまり不適切問題である可能性があります。

【採点例①】
~~~正しい答えを、1つ選べ
正答:2・5(答えが2つ)
(正解)2・5
(誤解)1・3・4

【採点例②】
~~~正しい答えの組み合わせを2つ選べ
正答:1・2・5(答えが3つ)
(正解)1+2・1+5・2+5
(誤解)正解以外の組み合わせ

この不適切問題では、選択肢に答えを選択していれば、正解として扱ってくれます。
もしあなたが解答するとき、答えが絞り切れない時は安心して解答してくださいね!

このケースでは採点対象から除外するわけではないので、全体の問題数は変わりません。つまり200点中120点の合格ラインが変わることはありません。

採点対象から除外する

それじゃ、120点の合格ラインが変わる場合もあるの?

あります!
厄介なのはこの、「採点対象から除外する」です

ここの問題、答えある?

そう思ったとき、実は解答がない、つまり不適切問題である可能性があります。

採点から除外されるケースは複数あり、問題の文章に誤りがある、そもそも答えが解答欄にない場合などがあります。

問題文章に誤りがある例

(誤)放射線同位元素
(正)放射性同位元素

このくらいの文章に誤りがあるくらいなら、解答に支障をきたしませんが、答えが解答欄にない場合とかは、正解することは不可能です。

複数回答がある場合は、自分が思う正解があるため迷うだけですが、解答がないのは、自分が全否定されたような印象を受け、試験中に自信喪失やパニックに陥る可能性があります。

ぶっちゃけ、一番あってはいけない不適切問題です。

この不適切問題の場合、採点対象から除外されることになります。
つまり、試験問題数が変わり、合格ラインが変動してきます。

重要なのは、合格ラインが小数点切り上げで決まることです。

  • 採点対象から除外:1問
     合格ライン:120点
     199点×60%=119.4点
  • 採点対象から除外:2問
     合格ライン:119点
     198点×60%=118.8点
  • 採点対象から除外:3問
     合格ライン:119点
     197点×60%=118.2点

除外問題が1問あったとしても、合格ラインの120点は変わりません。受験生は199点中120点を取らなければいけない。つまり、全員強制的に1問間違って回答させられたと同じ意味合いになります。

この除外された1問で、119点で不合格になってしまった受験者のうち、5人に1人合格に繰り上げできた可能性がありますよね。(解答欄1/5の確率論)

不適切問題が、多少なりとも国家試験合格率に影響してしまう根拠になります。

試験問題を作成する方には、ぜひ注意して作成していただきたいものですね…

複数の選択肢を正解
採点対象から除外
  • 正解を選択していればOK
  • 合格ラインに影響なし
  • 出題数が変動する
  • 合格ラインに影響あり

実際の不適切問題数

不適切問題ってどのくらいあるの?

それでは、過去の不適切問題を一緒に見てみましょう!

ここから先は、第68回~72回 診療放射線技師国家試験の不適切問題の詳細を紹介しています。
そのあとに、第63回~72回 診療放射線技師国家試験の不適切問題総まとめを表にしていますので、先にまとめだけを見たい方は、「第63回~72回 診療放射線技師国家試験の一覧」へジャンプ!

第72回 診療放射線技師国家試験

厚生労働省が報告している「第72回診療放射線技師国家試験の合格発表について」から情報を参照しています。

採点上の取り扱い理由
午前28問複数の選択肢を
正解として取り扱う
1つの正解を求めよ
→2つの正解
午前43問採点対象から除外する計算問題で正解がない
午前87問複数の選択肢を
正解として取り扱う
1つの正解を求めよ
→2つの正解
午前99問採点対象から除外する設問に
誤字があったため
午後42問採点対象から除外する選択肢に
不適切があったため

第71回 診療放射線技師国家試験

厚生労働省が報告している「第71回診療放射線技師国家試験の合格発表について」から情報を参照しています。

採点上の取り扱い理由
午前60問複数の選択肢を
正解として取り扱う
1つの正解を求めよ
→2つの正解
午後4問複数の選択肢を
正解として取り扱う
2つの正解を求めよ
→3つの正解
午後8問複数の選択肢を
正解として取り扱う
1つの正解を求めよ
→2つの正解

第70回 診療放射線技師国家試験

厚生労働省が報告している「第70回診療放射線技師国家試験の合格発表について」から情報を参照しています。

採点上の取り扱い理由
午前22問複数の選択肢を
正解として取り扱う
1つの正解を求めよ
→2つの正解
午前29問複数の選択肢を
正解として取り扱う
1つの正解を求めよ
→2つの正解
午後4問複数の選択肢を
正解として取り扱う
1つの正解を求めよ
→2つの正解
午後27問複数の選択肢を
正解として取り扱う
2つの正解を求めよ
→3つの正解
午後35問複数の選択肢を
正解として取り扱う
2つの正解を求めよ
→3つの正解
午後94問複数の選択肢を
正解として取り扱う
1つの正解を求めよ
→2つの正解

第69回 診療放射線技師国家試験

厚生労働省が報告している「第69回診療放射線技師国家試験の合格発表について」から情報を参照しています。

採点上の取り扱い理由
午前76回採点対象から除外する計算問題で正解がない
午後28回複数の選択肢を
正解として取り扱う
1つの正解を求めよ
→2つの正解
午後78回複数の選択肢を
正解として取り扱う
2つの正解を求めよ
→3つの正解

第68回 診療放射線技師国家試験

厚生労働省が報告している「第68回診療放射線技師国家試験の合格発表について」から情報を参照しています。

採点上の取り扱い理由
午後77問複数の選択肢を
正解として取り扱う
1つの正解を求めよ
→2つの正解

第63回~72回 診療放射線技師国家試験の一覧

複数の選択肢を正解採点対象から除外
第72回2問3問
第71回3問
第70回6問
第69回2問1問
第68回1問
第67回3問
第66回5問3問
第65回4問1問
第64回
第63回7問4問

第63回に限っては、200問中11問不適切問題という、あまりにも受験者を困惑させる数ですよね。その翌年はきっと何重にもチェックをしての不適切問題が0問という結果になっていることが予想されます。

10年間で不適切問題が無いのは1年しかありません。

不適切問題が無くならない理由

不適切問題は2つの理由で今後も無くなることはないと予想されます。

ひとつが、情報漏洩の対策です。

出題内容を確認するときに、本来であれば複数人で試験問題を確認していきますが、情報漏洩を防ぐために少数の担当者で確認していきます。

2021年国家試験を作成した担当者は24人です。
名簿は「第73回診療放射線技師国家試験 試験委員名簿」から確認することができます。

少数であればあるほど、問題を見直す視野も少なくなり、そのために不適切問題を見つけることが難しくなります。

もう一つの理由が、ある程度のひっかけ問題を作成するためです。

簡単すぎる問題を作成してしまうと、国家試験の合格率が90%以上になる可能性があります。国家試験合格率を調整するためにひっかけ問題を作成しなければいけません。

ひっかけ問題を作成するにあたり、ちょっと解釈が難しい問題を作成してしまうと、別の考え方もOKというように解釈されることがあります。そのため、正解の問題が増えてしまう可能性があるのです。

一番解答が増えてしまった問題は、【第63回の午前14問】選択肢5つ全てが正解になったこともあります。

情報漏洩や国家試験合格率調整のために、どうしても不適切問題はなくならないと思われます。AIが導入され国家試験を作成してくれるようになれば、ある程度は減らせれるのではないかと期待しているところです。

まとめ:分からない問題は不適切問題の可能性あり

過去10年間における診療放射線技師国家試験の不適切問題の解説をしてきました。
なんと、この10年間で不適切問題が0の年は1年しかありません!

模試国家試験で、あなたがどうしても選択肢を選びきれない。
きっとそういう問題が出てきます。

そんな時には、ここまで勉強してきたあなたが分からない問題。それは解けない問題”不適切問題”だと決めつけて、あまり考えすぎずに次の問題に取り掛かりましょう。

分からない問題を抱えたまま次の問題に行くには、抵抗や不安があるのもわかります。しかし深く考えすぎてパニックになる方が、不合格になる確率を上げてしまいます。

国家試験は、不適切問題ありきと考えてから受験し、むしろ不適切問題を見つけてやる!くらいの気持ちで受験に臨んだ方が、パニックにならなくて良いです。

この記事が、あなたの国家試験受験の緊張を和らげるための参考になれば、うれしい限りです。

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