【文系が不利・理系が有利は迷信】診療放射線技師の真実【3つの根拠】

自分は理系だから診療放射線技師に向いている!!
自分は文系だから診療放射線技師に向いていない…
そう考えている人はいませんか?それは迷信です!

私が診療放射線技師を目指したひとつの理由に、「自分が理系だから」があります。
その当時は、なぜ理系が有利なのか?とは一切調べていません。
よくよく考えれば、理由も知らないことを信じて疑わないとは怖いですよね…

まさに
「夜に口笛を吹くと蛇が出る」のような迷信みたいですね。
蛇に耳が無いため音を感知しないというのに・・・(笑)

なぜ理系が有利という風習があるのか、簡単ですが解説していきます。

この記事を読むことで、理系は気を引き締めて、文系は夢を諦める必要がなくなります。

医療の考え方が数学に似ている

ほら!
結局理系の方が有利なんでしょ?

そう思って戻るにはもったいないので、少しだけお付き合いください。
簡単に説明しますので!!

医療・理系・文系の特徴
  • 医療は複数の手段を経て、確定診断や治療方針を決定
  • 理系では公式などを駆使して、1つの答えを導き出す
  • 文系では文献を読み解き、感情を解釈することが得意

この”複数の手段を経て””公式などを駆使して”という考え方が似ていることが、診療放射線技師をはじめとする医療従事者が、理系が有利と思われるひとつの理由かもしれません。

本来は”複数の手段”には必ず「根拠(エビデンス)に基づいた医療」が求められます。

(根拠に基づかない医療の例)
○○という薬効きそうだから処方しとくか!
効果あるかどうか知らないけどね!
効果なくてもお金はいただくからね!

こんな医療を提供して欲しいですか?
私なら絶対にいやです(断言)

しっかり根拠に基づいた医療をして欲しいですよね?

「根拠に基づいた医療」を言い換えれば「根拠をしっかり理解したうえでの医療」になります。つまり、根拠が記載されている文献を読み、理解することを得意とする文系の方が、むしろ適性な気がするのは私の小言です。

大学進学が絶対という誤った認識

明日から診療放射線技師になる!!
と言ってなれる仕事ではない。
それが診療放射線技師というものです。

診療放射線技師になるためには
  • ステップ1
    大学・短大・専門学校に進学

  • ステップ2
    卒業見込み・卒業後に国家試験に合格

この2ステップをクリアしなければいけません。

1つめのステップである「大学・短大・専門学校に進学」
この進学先が「理系=有利である」と誤って解釈してしまう要因のひとつになります。

理由は”学力試験に理系科目があること”
ほとんどの大学では、数学・物理を学力試験の項目に指定しています。

またぁ!?
結局、理系が有利じゃないか!!!

そう思いますよね?
その考え方が誤った認識なのです。

重要なのは、診療放射線技師になることが目標であり、進学先は手段のひとつです。
大学に進学することが目標ではありません。

学力試験が比較的容易な専門学校は、決して悪い選択肢ではありません

それでも専門学校は学費が高いて言うじゃないか!やっぱり大学が一番!

そう思われる方も当然いらっしゃいます。
しかし実は、4年間の総支出で比較してみると、国立大学と3年間専門学校の総支出はほとんど変わりがありません。
各学校の学費徹底比較について「【53校:徹底比較】学費を理由に放射線技師を諦めるな|専門学校~大学」で解説しています。

かなりぶっちゃけた話しにはなりますが、高校では専門学校や私立大学・短期大学に進学させるより、国公立大学に進学させることがその学校の宣伝になります。

あだらじの経験談

私が進学していた高校は進学校ではなく工業高校でした。
診療放射線技師の道を選択したとき

  • 工業系の大学にしておきなさい!
  • 数学の勉強をもっとするべきだ!

と何名かの先生に反対された記憶があります。
工業高校も理系だというのに・・・
(もちろん進学校と工業高校が同等とは考えておりません)

  • 大学は就職に有利!
  • 大学は学費が安い!
  • 大学に行きなさい!

そう言われ続けると、「診療放射線技師になりたい!」から「大学に進学しなきゃ!」と考えが変わってしまう可能性があります。そして、大学に進学するために、診療放射線技師の夢を諦めて、進学できる適当な大学に入学してしまうことが一番怖いです。
診療放射線技師になるためには、あくまで進学は手段のひとつであり、大学に進学したから必ず診療放射線技師になれるわけではありません。
専門学校でも、もちろん診療放射線技師になれます。なんなら私が専門学校卒業生です!

あなたの夢は、診療放射線技師になることですか?大学に進学することですか?

迷信打破の決定打:国家試験の受験

「診療放射線技師になるには、理系が有利・文系が不利なのは迷信」である決定的な根拠は、診療放射線技師になるためのステップ2:国家試験に合格すること。ココがポイントです。

国家試験はどの学校に進学したとしても免除されることはありません。

国家試験の内容を確認しましょう!

  • 基礎医学大要:30点
  • 放射線生物学:10点
  • 放射線物理学:10点
  • 放射線化学:8点
  • 医用工学:7点
  • 診療画像機器学:20点
  • エックス線撮影技術学:20点
  • 診療画像検査学:20点
  • 画像工学:5点
  • 医用画像情報学:10点
  • 放射線計測学:10点
  • 放射線治療技術学:20点
  • 核医学検査技術学:20点
  • 放射線安全管理学:10点
    合計:200点(120点以上で合格)

ここから理系科目だけを抽出すると・・・

  • 放射線物理学:10点
  • 放射線化学:8点
  • 医用工学:7点
  • 放射線計測学:10点
    合計:35点
    (一部理系要素あり)
  • 放射線生物学:10点
  • 診療画像機器学:20点
  • 核医学検査技術学:20点
    ※ほぼ暗記科目です。
    概ね:15点程度
    (多く見て各5点とする)
    合算で50点

さて、全体から理系科目の点数を計算すると。。。

50点/200点
理系科目は25%の割合しかありません。

しかも実は計算問題は10問前後だけ!!

計算だけが苦手な人にとっては、200点中120点で合格する国家試験のなかで、計算問題10点の振り分けは大きな点数とはいえません。

ほとんどが暗記を必要とするため、国家試験は記憶定着力が秀でている文系の方が有利かもしれませんね!

あだらじの国試対策

実際に完全理系の私は国家試験対策がつらすぎて、国家試験の勉強をしなかった科目もあります。それでも、余裕をもって国家試験に合格することができました。苦手分野を勉強せずに国家試験を合格した私の勉強方法は、「【国家試験対策】苦手分野・科目はどうすればいい?【結論:素直に諦める】」で紹介しています。

結論:診療放射線技師になるには、文系・理系関係ない

診療放射線技師になるために、進学するときには多少理系が優遇される可能性もあります。
学校内の進級試験や卒業試験では理系の色が少し強く出てしまう科目もあります。
しかしながら国家試験という大きな壁には、暗記を必要とする問題数がかなりの割合が含まれています。

つまり、「理系だから有利・文系だから不利」とは一概に言えません。

  • 自分は文系だから不安・・・
  • 自分は理系だから大丈夫!!

「医療従事者は理系が向いている」という考え方を鵜呑みにして【診療放射線技師になりたい】という夢を諦める必要はありません。

誰だって得意不得意分野はあります。そのなかでどうしても学力面で大学に進学が難しい時には、自分の得意科目だけで進学することができる専門学校も選択肢に上がります。
受験科目から学校を知りたい方は「放射線技師の専門学校受験に必要な科目は?【受験科目別で一覧表示】」ですべてを公開しています。

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文系の診療放射線技師が、入学から進学・卒業、そして国家試験合格までの実態を赤裸々に告白しているブログを見つけました!
ぜひ、お時間のある方は見てみてくださいね。

Kairi Blogさま
>>文系でも放射線技師は目指せるのか?【結論、全く問題なしです】

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