こんにちは、あだらじです。
放射線技師を目指すときに良く聞く「理系・文系は関係ありますか?」という質問に対して私はいつも「理系文系関係ないよ!」と答えています。
実はもっと重要なスキルがあり、今回はそのうち2つのスキルを徹底解説していきたいと思います。苦手なスキルだな…と思った方に向けても対策を用意していますので安心してください。
この記事を読むことで、あなたが放射線技師に向いているのかな?という疑問を解決することができます。
撮影スキル:空間認識力
放射線技師は検査をすることで、診療報酬(収入)が発生します。病院側も利益をださなければいけませんので、収入を確保すべく放射線技師に「撮影スキル」を求めてきます。
その撮影スキルで必要になってくるのは、空間認識力です。
なぜ空間認識力が必要になるのかを解説します!
参考書通りの撮影はできない
放射線技師の仕事は「一般撮影に始まり、一般撮影に終わる」というくらい、一般撮影が基礎中の基礎であり、重要な検査の種類になります。(一般撮影とは俗にいうレントゲン撮影になります)
この一般撮影で空間認識力が重要になってくるのです。例を挙げますので、あなたの体も使いながら一緒に確認してみてください。
参考書はあくまで基本の撮影方法になります。
次に空間認識力が必要になるケースを見てみましょう。
もし肘を伸ばせない・曲げられない時に、先ほどの基本の撮影方法ができるでしょうか?あなたの腕を使って、再現できるか試してみてください。
結構難しいと思います。
基本的な撮影だけ覚えても、実際は使えない時もしばしば。そんな時でもちゃんと画像検査ができるように、体の解剖学と合わせて、どのくらい体を動かして撮影することが最適なのかをイメージする空間認識力が求められます。
空間認識力を鍛える
放射線技師の検査には空間認識力が必要なことは分かったけど、空間認識力ってどういうものなの?鍛えることができるの?
空間認識力をはかるテストは展開図などが一般的です。
答え:A
クイズ番組でも時々見るようなものですね!
こういう問題、あまり得意じゃないんだよね…
それでも大丈夫です!
対策を用意しています!
ぶっちゃけ、仕事をしていけば慣れていきます。しかしそれでも不安が残る方へ、鍛えるという目的で、今の生活を少しだけ意識してみて欲しいものがあります。
この2つを意識してみてください。
カゴや買い物袋という決められた領域に、いかに商品をたくさん詰め込めるか。これも立派な空間認識能力が鍛える手段のひとつです。
スーパーで自分がカゴに入れた商品を、店員さんがもっとコンパクトに詰めて凄いなぁ!となったことはありませんか?あれは空間認識力の極みに立つ能力かもしれませんね!
空間認識能力を鍛える商品もたくさんありますが、あまりコストをかけたくないですし、買っても使わなければ意味が無いですからね…
その分買い物は日常生活で必要なものですので、ちょっと意識するだけで、「普通の買い物」を「空間認識力を鍛える買い物」に変えることができます。
読影スキル:観察力(違和感の気づき)
放射線技師の仕事は、検査するだけではありません。
もうひとつ重要な仕事が、読影の補助をすることです。
読影:ドクエイ
レントゲンやCT、MRI、超音波、心電図などの検査によって得られた画像から所見を読み、診断を下すこと。放射線科専門医が画像診断を行い、さらに担当医が確認するといったダブルチェックを行うことも多い。
参照:専門医局
診療放射線技師としてのやりがいのひとつでもある読影。検査した画像を一番最初に見るのは、撮影した診療放射線技師になります。
この読影の補助に重要なスキルが、観察力(違和感の気づき)です。
読影の補助ができるようになると、自分だけではなく、患者本人や医師の負担軽減にも繋がる場合があります!
★☆ 注意点 ☆★
読影の補助は、必ずしも求められる業務ではありません。大規模病院やクリニックなど、勤務場所によっては、検査を効率良く実施することが求められる場合があります。
患者や他の職員の負担軽減に繋がる
検査の実施は、必ず「医師の指示のもと」実施することになっています。つまり、医師の指示以外のことは実施できません。
しかし指示通りに検査することが必ずしも患者や他の職員のためになるわけではありません。例を挙げて確認してみます。
- step 1検査指示内容
左肘関節2方向撮影(骨折疑い)
- step 2実際に撮影
肘関節ではなく、腕の方に骨折疑いを認めた
本来の検査指示はここで終了でも良いです。しかしここで検査を終了することで発生するデメリットがあります。それは、再度検査を必要とする場合があることです。
再度検査をする場合、患者が検査室を再度訪問する必要がありますし、検査後の再診察に待ち時間を要します。他の職員も、一度の診察で終了できたものをもう一度診察する必要があり、業務負担を強いてしまう結果になります。
つまり、患者や他の職員へ負担をかけているのです。
- step 1検査指示内容
左肘関節2方向撮影(骨折疑い)
- step 2左肘関節2方向撮影(骨折疑い)
肘関節ではなく、腕の方に骨折疑いを認めた
- step 3依頼した医師に上申
骨折疑いの旨を伝える
- step 4追加検査指示内容
左前腕2方向撮影(骨折疑い)
もしあなたがこの、骨折疑いという違和感に気付くことができれば、患者や他の職員の負担を軽減できたことになります。
また肘関節の依頼になるので、実は別の場所に骨折疑いがありましたよ!と伝えることで、見落としを防ぐというメリットもあります。
診断名をつけるのは医師、気づきは技師
診断名をつけるのは医師で、技師はあくまで読影の補助をすることです。
読影とは結構難しいスキルで、整形を専門とした【整形外科】があるように、読影のみを専門とした【読影医】と呼ばれる医師が存在するくらい難しいものです。
ぶっちゃけ、医師が全員読影を得意とするかと言えば、必ずしも得意とは言えません。私の勤務している病院でも同じで、検査依頼医師より「読影について教えてくれないか?」など質問されることもしばしば。
そこで重要になるのが、違和感の気づきであり、例えるならば間違い探しです。
異常とは正常ではないということですので、しっかり正常の解剖を覚えることで、いつもと違う何かを気付くことができれば及第点です!
違和感を医師に伝えることで、採血結果や診察などを通して医師が最終的に診断名をつけてくれます。
医師はとても多忙な職種です。
読影という難しい業務を短時間で確認しなければいけません。そこで違和感を上申してくれる放射線技師は必ず重宝されます。
観察力を鍛える
その重要なスキルである違和感の気付きってどうやって鍛えるの?
日頃からちょっとだけ気にしてほしいものがあります。
まず大前提に、正常解剖をしっかり覚えることから始まります。しかし正常解剖だけを覚えたからといって、違和感に気づけるかは別問題です。そこで観察力を鍛えるために意識してほしいことは、日頃会話をしている人の外見を注目し人間観察をすることです。
例えば、髪をばっさり切った人に対しては気づくことができますが、数cm切っただけではあまり気付くことができませんよね。そこを気づくために日頃しっかり意識して人の外見を注目し、変化に気づけるかの練習をしましょう。
ただし注意点があります。
それは、本人へ直接○○変えた?と聞くことは、ハラスメントに繋がりかねませんので注意が必要です。
もし仲の良い関係であると、気づいてくれたことに対して良い印象を与えることも期待できますので、聞くときには相手をしっかりえらんでくださいね!
空間認識力を鍛える時と同様に、間違い探しなどの本を購入しトレーニングすることも良いですが、やっぱり継続することができて、なおかつ人間関係も良好にできるので、私は人間観察をオススメします。
ちなみに先日外来の看護師に、「目元がいつもと違う気がするんですけど何か変えましたか?」と聞くと、「まつ毛パーマしたんですよね!」と返答がありました。他の職員は全然気が付かなかったようです…
ここまでくると職業病みたいですね(笑)
スキルは現場で働いて磨くもの
検査をするために必要なスキル「空間認識力」と読影の補助に必要なスキル「観察力」を伝えてきましたが、ぶっちゃけ現場で全て磨くものです。
もしあなたが放射線技師を目指したいけど、私には向かないのではないか…という疑問・不安があるかもしれません。
しかし安心してください。
いわゆるセンスについては、ある一定の努力をした後に、頂点に立つために必要なものであり、放射線技師として働くにあたってはセンスは関係ありせん。また一定の努力とは現場で働いて磨き積み上げるものです。
それでも気になるよ…そんな方は、今回紹介した、「空間認識力を鍛える買い物」と「会話する人の外見を注目する」この2点を意識してみてください。
放射線技師を目指して頑張るあなた、放射線技師に向いているのか不安に感じているあなたの参考になれば嬉しい限りです。
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